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「約束」 (横 浜) 大関 洋
かぎろへるものの一つに我があり 銭湯の高き煙突暮れかぬる ぼうたんの競ひてゐたる白と緋と 明易し今日といふ日のまつさらで 柔道着のごはごは乾く麦の秋 でで虫に時間といふが通り過ぎ 約束は破らるるもの花は葉に
「旧端午」 (伊 東) 高尾峯人
藤棚の藤に暮色の来てゐたる 春惜しむ水音水に置き去られ 田植機の油さされて待たされて 日が跳ねて谷の田植の華やかに 堂塔の浮きては沈む青葉かな 山に立つ雲の力や旧端午 一陣の風一斉に青時雨
「田植」 (倉 敷) 浮田雁人
車座に作る紫雲英の首飾り 麦秋の讃岐富士へと誘へる 桐の花散るや平家の陣屋跡 苗取に捕らへられたる緑亀 唐鋤の牛をねぎらふ大田植 杣山へ田植太鼓の響きけり 喪の家の空にまつたき花樗
「奥床し」 (横 浜) 梅津大八
地下足袋の父の八十八夜かな 青葦と流れのせめぎ合うてゐる ここよりは山道となる山法師 十薬の花群れざるは奥床し 園児らの顔に力や五月来る ポスターを貼ればたちまち蟻登る 蔓薔薇を飾りとしたる掲示板
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